「文庫」を創るというリフォーム

広い敷地の中に母屋があり、廊下続きの離れをリフォーム・一部増築して「文庫」という「くつろぎ空間」を建設させていただきました。
集まってくる本を前にして いずれは文庫を。
「『文庫づくり』の構想は、夫婦の間で5年前くらいから考えていました。古希を目の前にして、実現するなら『今!』と思い、本腰になったのはここ1年ほど前からですね」(ご夫婦)
ご結婚当時から、お二人の共通の趣味が「本」で、どんどん集まってくる本を前にいずれは「文庫」をと思っていらっしゃったとのことです。
「いろいろな図書館を回りました。メジャーをもってこっそりと書架の奥行を計ったり・・・、あるとき、三木の図書館に伺ってオレンジを基調にした空間を目にして、こんな明るい文庫もいいなぁと思いました。」(笑顔で奥様)。
一見すると贅沢と思われる「文庫」ですが、「本」にはどんな思いがおありなのかとお尋ねすると、「背表紙をみながら本を見渡すと、人生の中でどんなことを考え、どんなことと関わってきたのかを振り返られるし落ち着きますね」と、お二人の和やかなお話しでした。
「本」が織りなす二人の素敵な「人生アルバム」としての文庫が完成しました。
【本と共に思い出を「散策」されているご主人】




オープンハウスで
ピンときたのがきっかけでした。
「主人がたまたま面識のある栗生明先生が設計された植村直己冒険館や日高東部健康福祉センターのすっきりしたイメージが良いと思っていたのと、折角なのでありきたりでないものをと考えていました。そんなときにグローイングのオープンハウスの広告を見てピンときて見学にいき、リビングが広く、扉もなく開放的ですっきりしていたのと、玄関のつくりも初めてみる感じで、こんな玄関もありよねって思いました」(奥様)
他の建築会社様も検討されながら、弊社にもコンタクトを取っていただきました。
ヒアリングさせていただいたときの印象をお聞きすると、
「いろいろな思いや理想をお伝えするとパソコンでイメージを形として見せてもらって、思い描いていたものを『カタチにしてくれそう!』と感じましたね。」(笑)
【玄関を入ると本がお出迎え】
「餅は餅屋さん」で、建築もやはり
プロに考えてもらうことも大切だと。
S様邸のリフォームで一番のポイントは、どれだけの本を収納するかでした。収納効率から考えると閉架と開架エリアを設けることも考えられますが、「明るくてくつろげる場で本をみわたせる」が、ご夫婦のリクエストでした。今回のリフォームエリアでは、本はすべて開架の書棚としました。
「書棚の高さや窓の高さなどいろいろ考えましたが、ほぼ、グローイングさんの提案どおりにしました。本当に色々調べていただいたと思います。やっぱりプロに考えてもらうことが大切だと思いましたね。」(奥様)
「団欒スペースの柱は父の部屋だったときの床柱です。「思い」があってやっぱり残してよかったですね。」(笑顔の主人)
「書棚などの家具が入り始めてくると、ところどころ気になるところがでてきたりしましたが、担当の大工さんに丁寧に対応しもらいました。ほぼ、100%満足しています」(奥様)
本をたくさん収納するため書棚はできるだけ高くしていますが、「明るくて、くつろぐエリア」を基点に広い空間を感じられるように設計し、採光にも工夫をしています。団欒スペースのテーブルからは縁側(デッキ)を通じて外を見ることができ、座った位置からは書棚の上の窓の向こうに山と空が見えます。




みなさんが集う高生(たこう)文庫になれば。
「このあたりは、もともと高生(たこう)とよばれていたのでここを「高生文庫」と名付けました。」(ご主人)
「先日も小さなお子さんとお母さんに寄っていただいたり・・・みなさんが集えるところになればと思っています」(ご夫婦)
「まだ、地域の方にお披露目をしていないんです。友だちが作品展を企画しています。これをきっかに文庫を開けていきたいと思っています」(笑顔の奥様)
ご夫婦の楽しい会話を聞いていると、この空間にきっといろいろな人が集ってこられるに違いないと思いました。